Ge男

地理をエンタメに!地域の事象や旅について語る

なぜ都市は面白いのか

みなさんこんにちは。

旅行記が続いたので、久しぶりに頭を切り替え真面目なテーマで書いていきたいと思います。原点に立ち返り、自分の中にある熱いものを掘り起こしてしていきます。

そもそも、「なぜ都市って面白いのか」。

それは私もみなさんも同じなのではないでしょうか。

「ワクワクする」「家の近所ではできない体験ができる」「買い物の選択肢が広がる」

非日常的な体験を求めて、皆都会へと繰り出します。

私は東京から約40㎞離れた横浜市戸塚区で生まれ育ちました。

地域で一番の都会は「横浜駅前」なのですが、それよりも映画館や京急百貨店、ヨドバシカメラが揃う「上大岡」に特別な都会感を感じていました。自転車で丘を越えよく遊びにいったのを思い出します。上大岡の京急百貨店では、京急Nゲージ鉄道模型)を実際に使用されていた運転台を用いて運転できるブースがあり、間違いなく「そこでしかできない体験」でした。

東京」は非日常そのもので、幼少期は全国各地が列車が発着する場所、新潟のばあちゃんちに遊びに行く時に通る場所というイメージ。東京に連れて行ってもらえる時は大喜びしたのを覚えています。年齢が上がるにつれ、アニメにハマったときは秋葉原や池袋、服に興味を持った時は下北沢や原宿の古着屋街に繰り出すなど、趣味の追求の場となりました。

そういった人間だれしもが通る「都市」「都会」でのワクワクするような体験が記憶に残り、都市を研究する学問に惹かれたのだと思います。

実際の所、旅行に出かけた際最も楽しみなのは大自然よりも都市です(30歳を目前に形自然の魅力にも惹かれつつあります)。地方都市でご当地グルメや地域の公共交通に乗り、市民生活に溶け込んでいる瞬間こそが一番脳汁がでます。旅行というより、感覚としてはプチ移住に近いでしょうか。

あとはやはり建物が好きなのでしょう。

都市の狭い空間を有効活用した高層ビルもそうですし、港湾の倉庫を改築した商業施設(特に吹き抜けを大胆に活用しているもの)を目の前にすると無条件で気に入ってしまいます。ざっと例にあげると、東京大手町の「OOTEMORIタワー」や、大阪の「グランフロント」、高松の「北浜アリー」や天王洲アイルの「T.Y.HARVER」などです。地域ゆかりの産品を扱う店舗やおしゃれなカフェが入っていればなおさら気に入ります。都市とはある意味生き物のようなもので、歩いていくと廃屋や空き家といった「朽ちていく」部分にも出会いますし、再開発されたきれいな建物に驚くこともあります。新陳代謝を感じることができるのも都市の魅力ではないでしょうか。

同じ日本国内といえど、一つとして同じ都市はありません。

確かに人々の生活がなんとなく固定化され、モータリゼーションが進み、郊外の国道沿いにファミレスやホームセンターが並び「都市の個性」が薄れてきているのは事実です。しかしながら国際都市、工業都市港湾都市、衛星都市(ベッドタウン)、門前町、宗教都市、保養都市と日本には様々な形態の都市があります。わかりやすく例を挙げると、東京、室蘭、横浜、流山、長野、天理、熱海といったところでしょうか。

同じような性格をもっていても、人口(密度)、面積、歴史、GDP市町村合併の有無など形成要因がバラバラで、一つ一つ追ってゆくだけでも楽しいのです。私はやはり人口100万人以上の都市が好きなので、札幌や福岡の比較なんかを頭の中でしょっちゅう繰り広げています。基準は「もし私が明日から住むなら」。「福岡のこのエリアは札幌のここに当たるな」とか、「天神と大通ならどっちが休日を楽しめるか」とか妄想が膨らみます。

地理全般に言えることですが、知識を知識として頭の中にため込むだけでなく、日常生活に当てはめてゆくととグッと解像度があがりますよ。旅行中に見かけた景色(景観)に対して、自分なりに形成要因を予想してみるのも良いです。

 

今回は、珍しく自分の中に秘めている熱い思いを書いてみました。

都市ってやっぱり面白い!」そう共感していただければ幸いです。