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知ってるようで何も知らない能登半島

みなさんこんにちは。

 

2024年元日に発生した能登半島地震で被災した方々へ、心よりお見舞い申し上げます。

今回は、能登半島について知ってもらおうという内容になっています。4つのエリアに分けて解説していきたいと思いますので、是非一読して頂ければと思います。

 

1.クイズ

いきなりですが皆さん、この4つのうちどれが能登半島かわかりますでしょうか。

 

 

答えは左下。(スマホで配列が崩れている場合、上から3番目です)

左上から順に、逆さの伊豆半島、逆さの千葉県(房総半島)、能登半島、逆さの三浦半島となっています。北東へ大きくせり出している点や、中央部に能登島という大きな島があるのがヒントでした。全て答えられた方はお見事です。

こうしてみてみると、どの半島も場所は違えど似たような形をしていて面白いですね。

陸地から大きく海側へ伸びている分海流の影響を大きく受け、波によって削れてた(浸食作用)部分は崖になりますし、逆に波が運んだ土砂が貯まれば(堆積作用)砂浜となります。駿河湾相模湾富山湾は海産物の宝庫で沼津、三崎、氷見(ひみ)は全国的に有名な漁港となっています。


能登半島を拡大してみました。

2.羽咋

南端にあたるのが羽咋(はくい)。難読地名です。このなかでは県庁所在地の金沢に一番近いですが、それでも約40km近い距離があります。先端の珠洲(すず)に至っては同じ県内なのに140㎞も離れており、能登半島の巨大さを思い知らされます。

砂浜を車で走ることのできる「千里浜なぎさドライブウェイ」羽咋市にあります。砂の粒一つ一つが非常に細かいため、車の重みを支え込むことができるようです。

www.city.hakui.lg.jp

3.七尾

七尾能登半島では中心的な都市で、人口は約48000人(令和5年11月現在)。東京方面から七尾以北へ行くには、金沢ではなく新高岡から車で向かうのが最短コースです。

水族館やガラス美術館がある能登島や、「日本一の旅館」とも称される加賀屋ホテルがある和倉温泉が主な名所。旅館の仲居がテーマのアニメ「花咲くいろは」の舞台もここ七尾市です(個人的におすすめです。観ると、能登を旅したくなります)。作中では、のと鉄道西岸駅が舞台の最寄りになっています。

www.hanasakuiroha.jp

七尾には大学時代の友人が住んでおり、震災当日は家の中が倒れてきたもので散乱したそうです。しかし建物そのもの被害は無いようで安心しました。

4.輪島

能登半島の北部に位置するのは輪島。今回の地震で最も多くの被害を出した地域のひとつです。大阪などの大都市からは陸路では遠く、代わりに江戸時代に日本海側の諸都市を廻った「北前船」の交易都市として栄えました。また、漆器で有名な伝統工芸「輪島塗」もこちらを指します。輪島市は市域全体が山がちなのと、人口希薄地域(R5年12月現在約23000人、人口密度約50人/㎢)であるため、労働生産性、土地生産性の低い「棚田」と呼ばれる稲作地が点在しています。傾斜地ゆえコンバインといった大型の機械を入れることができないので、手作業で植付~稲刈をするのです。現在ではこの棚田が農業体験や観光の場として再評価されており、沿岸部に位置する「白米千枚田」は、日本海の眺望と棚田という日本の農業の原風景を追体験できるスポットとして、市を代表する観光地となりました。f:id:shidare225:20240114125157j:image

5.珠洲

最後に能登半島の先端、珠洲を紹介します。

こちらも震災の影響が大きい地域で、輪島同様、木造家屋がいまだに使われており、その倒壊で大きな被害が出ました。古き良き木造家屋は観光で楽しむ分にはいいですが、実際に住んでいる人がいることを考えると複雑な思いです。京都府伊根町の舟屋の美しい風景を思い出すと、どうにか景観と耐震、安全を両立できる術はないのかと悩んでしまいます。

読み方は珠洲(すず)。先述の通り、金沢から140㎞、大阪から440㎞の距離にあり、高知県土佐清水市のような「大都市からも県庁所在地からもアクセスが難しい孤高都市」となっています。ただしのと空港があるので、空路はそこまで不便がないかと思います。これだけ遠いと、一度は陸路で制覇してみたいなと思うのです(笑)。

主な見どころはやはり塩田でしょう。日本全国でもここだけ、「揚浜式製塩」を行っているエリアです。海水汲み上げ塩田にまき乾燥、蒸発。その後、砂利に再び海水を注ぎ、塩分濃度の高い「かん水」を精製。最後に窯で炊き上げるという古来の製法です。

www.sio-denen.jp

 

駆け足になりましたが、いかがでしたか。

今回の記事で少しでも能登半島について詳しくなって頂けたら幸いです。

 

そして、能登半島が一日でも早く復興することを心より願っています。

被害が少なかった金沢は風評被害に悩んでいるため、もし旅行を計画している方はキャンセルすることなく行って頂き、現地にお金を落としていただければなと思います。

私自身はひと段落した夏休みに七尾の友達に会いに行き、現地にお金を落とす予定でいます(笑)

 

それでは、次の記事でお会いしましょう。