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地理をエンタメに!地域の事象や旅について語る

サンダーバード最後の北陸路 金沢と京都を巡る旅 後編

皆さんこんにちは。

前編に続き、金沢・京都を同時に巡る旅の様子をお届けします。

 

1.山代温泉

ホテルで少し寝た後、再び町へ繰り出してゆきます。雨は引き続き残っていたようで、自転車はやめ、バス停まで歩きます。

 

新潟に次ぎ、日本海側2番目の都市とよく言われる金沢。駅前、武蔵ノ辻、香林坊、片町と4つの都心があり、連続しているように見えてなんとなく棲み分けされているのが好きです。

それぞれ、交通の帰結点、観光(近江町市場)、中心街・ビジネス街、若者の街・歓楽街のイメージです。

土日祝のみ100円で乗れる循環バスが走っているのですが、観光客ですし詰め。

片町から15分ほどで金沢駅前に戻ってきました。

サンダーバードは明日乗るのですが、せっかくなので同じ路線を走る名古屋行き「しらさぎ」に乗車。列車予約アプリ「WESTER」(e5489≒いいご予約)で特急券を購入したのですが、任意のパスワードを設定できないなど、使い慣れていないと結構難しいです。f:id:shidare225:20240324191930j:image

さすが国内最速級の特急なだけあって、爆速で飛ばしていきます(それゆえ、乗り心地は悪い)。あっという間に加賀温泉に到着。

2週間後の新幹線開業を目前に控え、構内はほとんど仮設仕様。階段を上り下りして改札へ。すぐの接続でバスに乗り込みます。

実は、「加賀温泉」という温泉は存在せず、近辺の山中・山代・片山津温泉の最寄りという事で分かりやすくこの駅名となっています。私も直近までそれを知らず「加賀温泉行きたいな」とぼやいていたので、今思い出すと恥ずかしいです(笑)隣駅の動橋(いぶりはし)や大聖寺(だいしょうじ)も各温泉の玄関口だった時代がありましたが、現在ではその役目を加賀温泉に譲っています。北陸新幹線延伸開業で、いよいよ東京から1本でアクセスできるようになりますね。すごい。

小雨の降る中、雰囲気のある温泉街に到着。

山代温泉のシンボルである、古総湯へ入っていきます。

yamashiro-spa.or.jp

ここはシンプルに脱衣所と湯舟しかなく、シャンプーやボディソープはもちろん、カランやシャワーすらないので注意が必要です。せいぜいかけ湯で体を流すくらいなので、極力宿泊するホテルで事前にシャワーを浴びとくと良いです。

中の写真は撮れませんでしたが、石川を象徴するような、木造建築にステンドグラス

が映える光景が美しく、このためだけに来てよかったと思えました。扉を開けたらいきなり脱衣所と湯舟があるので少々とまどいましたが、気さくな番頭さんが親切に教えてくれるので、心配はいりません。

2.夜の金沢

帰りはうまく接続がとれず、普通列車で50分ほどかけて金沢に戻ります。

小松で後続のサンダーバードと接続したのですが、12両ある編成の窓側のほとんどが埋まる乗車率でした。改めて、北陸線特急の需要の高さを実感すると同時に、新幹線で需要を拾いきれるのか心配になります。

金沢駅前商業施設「FORUS」に入る「もりもり寿司」へ。

tabelog.com

金沢に来たら必ず訪れる、人気の回転寿司です。日曜の夜7時で、東京に帰る観光客はもういないと踏んでいましたが、想像を超える待機列が。結構クタクタでしたが引き下がるわけにもいかず、結果1時間ぐらい待ちました。あと30分遅かったら受付終了だったので、一本早いバスで山代温泉を出発しておいてよかったです。

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待ちに待ったのどぐろ。ひとしお美味しく感じます。濃厚でクリーミーな味わいを求めて、何度でも金沢にきてしまいますね。インバウンド需要が増えていることもあり、5年前より単価が上がりましたが、満腹で幸せなのでOKです。

店を出るころには21時近かったですが、もう一か所だけ寄ります。

雨が上がっていたのでまた自転車を借り、かの有名な「ひがし茶屋街」へ。f:id:shidare225:20240324084155j:image

日中はかなりの人出ですが、夜間は誰もいません。観光施設や飲食店は当然やっていませんが、昼間とは違う雰囲気の景色を楽しめるので個人的には夜がおススメです。

自転車のサドルを三脚代わりにしてなんとか1枚撮れました。f:id:shidare225:20240324083808j:image

居住者の邪魔にならないよう、あまり長居せずにホテルへ戻ります。

3.いよいよサンダーバード乗車

翌日。

5時半に起き、併設のジムで軽くランニング。

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最高の一日のスタート・・・と言いたいところですが、アラサーの体はだんだん無理が利かなくなってきており、なんともいえない倦怠感に襲われます。8時台の再速達サンダーバード(福井、京都、新大阪のみ停車)の指定を受けていましたが、もう少し休みたかったので10:56発に差し替えました。この先30代の旅行はとにかく「無理をしない」事が最優先事項になりそうです。

特に観光の予定も入れず、ホテルでだらだら過ごします。どちらかというと滞在型のホテルなので、ラウンジでボケーとしたり、加賀棒茶を淹れながらYOUTUBEをみたりと思い思いにくつろげたのが良かったです。f:id:shidare225:20240324084035j:image

いよいよ金沢を発ちます。

車内で食べるパンを買ってたら意外といい時間に。

www.german.co.jp

ホーム上は、最期の時を惜しむギャラリー、写真を撮る人、何も知らずに普通に乗り込む人など三者三様でした。

座席に座ると外の音はあまり聞こえてこず、定刻通りにゆっくりと滑り出します。f:id:shidare225:20240324192008j:image

ラストランが近づいていますが、時間帯のせいか指定席は意外と空席が目立ちます。午前11時台、関西方面よりかは近場の福井への需要が大きいのでしょうか、自由席混雑の案内がありました。

途中駅をぶっ飛ばしていきます。「(中略)3/15をもちまして、サンダーバード号は敦賀より先、金沢までの運行を終了し、北陸新幹線にバトンタッチを渡します。これまでの皆様のご愛好に心から感謝申し上げます。あとわずかとなりましたが、金沢と大阪を結ぶ、特急サンダーバード号でのひと時をお楽しみください。」と車掌からの挨拶が。

最初で最後の通しでの乗車ですが、存分に満喫したいと思います。

私が乗ったサンダーバード18号は小松通過、加賀温泉停車という千鳥停車(停車駅を分散し、混雑を緩和する)タイプでちょっと珍しいです。その後、芦原(あわら)温泉、福井、武生(たけふ)、敦賀(つるが)、京都、新大阪、大阪と停車。

基本的に北陸3県の県境越えは峠で、県庁所在地→地域の拠点都市→トンネルで山越えを繰り返すイメージです。白山系統の山々の景観をしばらく眺めたあと、牛ノ谷峠を抜け、石川県から福井県に入ります。

芦原温泉~武生間はえちぜん鉄道とほぼ並走。スピード差が大きすぎるので競合することはないです。駅間が短いえちぜん鉄道の方は、地域と福井市内中心部の輸送に特化していて、上手く棲み分けられていると思います。九頭竜(くずりゅう)川を渡り、高架を上がると福井に到着です。

人口約25万、県庁所在地としてはやや少ない部類に入りますが、高架から見下ろす街並みは十分に都会感がありました。関西圏からの出張需要も大きそう。新幹線開業で、金沢、高岡、富山といった北陸諸都市の結びつきが増しそうで期待が高まります。

福井県は東京に住んでいると馴染みが少ない県で、私も敦賀しか行ったことがありません。永平寺東尋坊一乗谷イカした観光地が多いので、いつかはちゃんと行ってみたいものです。

武生まではなんとなく福井の延長という感じで、住宅地が続きます。

千鳥停車パターンの18号は県内主要駅、鯖江を通過。メガネのフレーム生産数が全国トップシェアであることで有名です。駅通過前に、高級メガネ店の金子眼鏡(がんきょう)の建物を見つけ、一人テンション上がりました。

サンダーバード縮小で一番割を食うのが鯖江ではないかと個人的には思っていて、メガネ関連の商談でめちゃくちゃ出張需要が多いだけに、サラリーマン相手の飲み屋やビジネスホテルの存続が心配になります。

そうこうしているとまた県境越えに差し掛かります。福井県内最後の駅である南今庄を通過すると、長大で有名な北陸トンネルへ。

全長約13キロ。関西から北陸への速達化に大きく貢献した一方、悲惨な火災事故が起きたことで知られています。

北陸トンネルに入った瞬間は静かすぎてわかりませんでしたが、次第にゴーゴーという音と前後に揺さぶられる感覚で確信を持ちました。めちゃくちゃぶっ飛ばしています。

トンネル出口間際で「北陸ロマン」が流れると、北陸の出口、敦賀へ到着です。

2年前に敦賀から姫路まで新快速を乗り通すために来たので、来るのは2回目になります。前回工事中だった、新幹線ホームが入る「要塞」が完成していました。

www.chunichi.co.jp

高さにして37m、ビル11階に相当する新駅。地上に特急専用ホーム、コンコースを経てスムーズに上階の新幹線に乗り換えられる仕組みになっています。コンコース内にあるお土産屋さんに寄っていると列車に乗り遅れる「乗り換えトラップ」があるとかないとか、、。

関西の入口、敦賀を出ると列車はループ線に入っていきます。

これですね。トンネルを作る技術力の無い頃の鉄道での山越えは、距離を稼いで登ってゆくスイッチバック(ジグザグ方式)や図のようなループ線が多く採用されています。

秘境駅新疋田(しんひきた)を超え、列車はいよいよ滋賀県へ。

f:id:shidare225:20240323155719j:image塩津浜」が見えてきました。琵琶湖です。冗談抜きで「海なんかあったっけ?」と錯覚しました。湖西線内は全て高架で、高い位置から永遠と琵琶湖を眺める事となります。個人的には1番退屈な区間(それでもグランピング施設をみつけ、もし関西に住んだら琵琶湖でどうやって遊ぶか考えるとワクワクします)で、気が付けば眠りに入ってしまいます。

目が覚め、気が付いたら朝夕一部のサンダーバードが停車する堅田を通過するところ。

琵琶湖大橋も過ぎ、この辺から一気に都会感が出てきます。

西大津大津京を過ぎると京都はすぐそこなので、荷支度をはじめます。

ほどなくして北陸ロマンが流れ、分岐器を渡り、到着。f:id:shidare225:20240324192038j:image

4.京都で家族と合流

乗客の半分くらいは降りたでしょうか、いつも京都に来るときは新幹線なのでなんだか新鮮な気分です。

このあと家族と合流するのですが、架線に飛来物がかかった影響で新幹線が大幅に遅延しており、暇つぶしに新快速に乗って遊んでました。

無事合流し、大徳寺の一般公開を見に行きます。

地下鉄で京都駅から7駅、北大路へ。受付終了時刻が16時なのに、駅到着が15時40分というピンチ。個人タクシーさんにお世話になり急ぎます(何とか間に合いました)。f:id:shidare225:20240324084302j:image

京都有数の敷地面積を誇る大徳寺。通常は公開していない本坊の天井画、「雲龍」を拝むことができました。

京都・大徳寺本坊:国宝の唐門や狩野探幽の天井画を特別公開 | nippon.comより引用

石庭がどうしても見たい私の希望で、境内瑞峯院の庭園も見学しました。

仕事に脂が乗り始めて(?)せわしない日々を送るアラサーにとって、波のさざなみや線香の煙、静寂な石庭をただ眺めているだけで癒されます。夕刻という事もあって、拙い表現で恐縮ですが「エモ」かったです。石庭を見るだけに京都に来る価値がありますね。f:id:shidare225:20240324084404j:image

残念なことに私だけ翌日仕事。駅前に移動し、最後の晩餐を楽しんでいきます。

駅構内、京都劇場目の前「京やさい料理 接方来」。

tabelog.com

季節のてんぷら、九条ねぎ釜揚げしらすのピザ、なすの揚げ出しなど頂きました。f:id:shidare225:20240324084422j:image

京都駅直結で半個室の高級感ある店内ながら、予算は一人3000円程度とかなり使い勝手が良いです。遠方同士の両家顔合わせなんかに最適なのではと思います。

ホテルに向かう家族と解散し、私だけ新幹線ホームに向かいます。悲しいい。

19:30発、のぞみ248号に乗車。新大阪始発ですが、それなりに混んでいます。ぽつぽつと通り過ぎる民家の灯りをぼんやり眺めながら虚無の帰宅です。

5.まとめ

今回、区間を工夫して激安で京都と金沢を巡る旅を楽しんできました。

幼少期から慣れ親しんだ名門特急「サンダーバード」が敦賀止まりになるという事で、最期の北陸路を楽しめたのも良かったです。かつて、深夜急行「きたぐに」「能登」や「北越」「はくたか」「白鳥」など名列車が駆け抜けた北陸本線に別れを告げつつ、新幹線によって身近になった福井へ思いを馳せるきっかけにもなりました。

今回前編後編合わせてかなり長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

よろしければ、読者登録をお願いいたします。

 

それでは!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

サンダーバード最後の北陸路 金沢と京都を巡る旅 前編

みなさんこんにちは。

本日は、先日紹介した東京発東京行きの一筆書ききっぷを実際に使用し、金沢と京都を周る旅レポです。

shidare225.hatenablog.com

↑前回記事はこちら

今回のダイヤ改正で運行区間が短縮となる名門特急「サンダーバード」の乗車がメインですが、しっかり観光もしたのでその様子もお届けできればと思います。

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3/3 世間ではひな祭りでした。

前日の22時くらいまで仕事をしていたのでゆっくりめのスタートです。

8時36分発 かがやき 506号金沢行きに乗車。

E5系は全車にコンセントがあり、ヘッドレストが可動式で調整が利き乗り得感があります。今回は進行方向右側、E席を押さえました。

大宮までの個人的な見どころは赤羽駅をすぐの「赤羽山トンネル」、右手に見えてくる川口の高層タワーマンションエルザタワー55」、「外環自動車道」です。少しずづ都心から遠ざかるのを感じながらビールが進みます。

気が付いたら爆睡しており、車窓に目をやると一面の雪景色が広がっていました。碓井峠を越えた、軽井沢手前あたりです。ちなみにこの後の長野駅近辺の積雪はゼロだったので、いかに軽井沢が標高が高いか思い知らされました。

山々が連なるエリアを長いトンネル区間で抜け、やっと抜けた先に見えるのは晴れた日の美しい日本海この景色が好きで、あえて右側の座席をとったのです。

そうこうしているうちに富山へ到着。新高岡も一瞬で通過し、あっという間に金沢へ着いてしまいました。かつて越後湯沢まで上越新幹線で行き特急「はくたか」に乗り換えていたころと比べると、格段に便利になりましたね。

改札を出ると、「ありがとう 北陸本線」の張り出しの下にホワイトボードが。皆思い思いに手書きメッセージを残していました。私も一言書きそっと添えました。f:id:shidare225:20240316170140j:image

震災の風評被害で閑古鳥が鳴いていると聞きましたが、駅はいつも通りのにぎわいで窓口には長蛇の列。インバウンド観光客もそれなりにいます。

予約していたレンタサイクル「まちのり」でとりあえず今日泊まるホテルへ向かいます。寒空の下風はびゅうびゅう吹いてきますが、ダウンを着込んでいるので汗だくになりながら繁華街「片町」に到着。

ホテルアマネク金沢」という新しめのホテルにチェックイン。

amanekhotels.jp 

〒920-0981 石川県金沢市片町2丁目25−17

荷物を預け、ホテルから近かったので昼食に金沢おでん「赤玉本店」に来ました。

11時40分くらいには来たのですが、既に10組くらいの列が。並んでる途中、いわゆる「やいらふぃー」の方が道端で騒いでいてちょっと残念な気持ちに。自分の中で金沢のイメージが悪くならないように20分耐えました。

www.oden-akadama.com

〒920-0981 石川県金沢市片町2丁目21−2

 

12時に一斉に中へ通され着席。看板の「赤巻」を中心に好きな具を頼んでいきます。

寒さの中並んだ甲斐あって、熱々のおでんが一層おいしく感じられました。f:id:shidare225:20240316144704j:image

特に気に入ったのが「えびしんじょう」。メニューに「ケーキのような食感」とあったので気になって頼んでみたら本当にその通り。エビの出汁が利いていて、リピートするか悩んだくらいです。良い体験ができました。

その後は雲行きを心配しながら、金沢城兼六園を見学。

兼六園と橋を挟んで反対側にある石川門の光景は何度も見てきたのですが、中まで入るのは今回が初めてです。入り口手前ですが、元旦の能登半島地震で緩んだと思われる箇所の修復工事が行われていました。

金沢城の象徴的な建築である「海鼠壁」(なまこかべ)が随所にみられます。f:id:shidare225:20240316144725j:image

江戸時代の建築なのに、令和の今見ても先進的な外観だなと思います。かっこいいですね。随所にセンスの良さが光るコンパクトな街、金沢のイメージそのものです。

もう何度訪れたかわかりませんが、兼六園も見ていきます。

加賀藩の5代目藩主前田綱紀(つなのり)が金沢城に面した傾斜地に1676年「蓮池御亭」(れんちおちん)という別荘を建てたのが発祥とされています。日本三大庭園としてあまりにも有名ですよね。

毎度のごとく、定番スポットで撮ってきました。やはりこのポイントが一番きれいに撮れると思います。いつもなら人だかりができていますが、平日と悪天候ということもあり観光客は少なめでした。f:id:shidare225:20240316170254j:image
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個人的に兼六園の好きなポイントは、高台に位置しているため景色が良い事。唐崎松のあたりから市街地が見下ろせ、特別な場所にいるという気分になって良いです。

そうこうしているといよいよ雲が黒くなり、かなり強い雨が降ってきました。

せっかく折りたたみ傘を用意したのにリュックに忘れてきた私は急いで香林坊方向へと走って向かいました。

水浸しになる前に駆け込んだのが、長町・MORON CAFE。(インスタでサクッと調べました。)

moroncafe.com

〒920-0865 石川県金沢市長町2丁目4−35 1F

※HPより引用

武家屋敷街の雰囲気も取り入れつつ、(入り口では提灯が出迎えてくれます)やや無機質な空間に観葉植物がぎっしり並ぶバチバチにイケてるカフェでした。

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地元の若い人で賑わっていました。

雨の日が多い地域なので慣れているのでしょう。小やみになったタイミングで皆そそくさと退席していきました。

ホテルまで小走りで戻りチェックイン、休憩。

部屋は小ぎれいで、窓からホストクラブの看板が見えること以外は申し分無し。

YOUTUBEもネトフリも見れるようですが、疲れていたので小一時間寝ることにしました。

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〜後編へ続く〜

 

 

 






 

 

 

 

なぜ都市は面白いのか

みなさんこんにちは。

旅行記が続いたので、久しぶりに頭を切り替え真面目なテーマで書いていきたいと思います。原点に立ち返り、自分の中にある熱いものを掘り起こしてしていきます。

そもそも、「なぜ都市って面白いのか」。

それは私もみなさんも同じなのではないでしょうか。

「ワクワクする」「家の近所ではできない体験ができる」「買い物の選択肢が広がる」

非日常的な体験を求めて、皆都会へと繰り出します。

私は東京から約40㎞離れた横浜市戸塚区で生まれ育ちました。

地域で一番の都会は「横浜駅前」なのですが、それよりも映画館や京急百貨店、ヨドバシカメラが揃う「上大岡」に特別な都会感を感じていました。自転車で丘を越えよく遊びにいったのを思い出します。上大岡の京急百貨店では、京急Nゲージ鉄道模型)を実際に使用されていた運転台を用いて運転できるブースがあり、間違いなく「そこでしかできない体験」でした。

東京」は非日常そのもので、幼少期は全国各地が列車が発着する場所、新潟のばあちゃんちに遊びに行く時に通る場所というイメージ。東京に連れて行ってもらえる時は大喜びしたのを覚えています。年齢が上がるにつれ、アニメにハマったときは秋葉原や池袋、服に興味を持った時は下北沢や原宿の古着屋街に繰り出すなど、趣味の追求の場となりました。

そういった人間だれしもが通る「都市」「都会」でのワクワクするような体験が記憶に残り、都市を研究する学問に惹かれたのだと思います。

実際の所、旅行に出かけた際最も楽しみなのは大自然よりも都市です(30歳を目前に形自然の魅力にも惹かれつつあります)。地方都市でご当地グルメや地域の公共交通に乗り、市民生活に溶け込んでいる瞬間こそが一番脳汁がでます。旅行というより、感覚としてはプチ移住に近いでしょうか。

あとはやはり建物が好きなのでしょう。

都市の狭い空間を有効活用した高層ビルもそうですし、港湾の倉庫を改築した商業施設(特に吹き抜けを大胆に活用しているもの)を目の前にすると無条件で気に入ってしまいます。ざっと例にあげると、東京大手町の「OOTEMORIタワー」や、大阪の「グランフロント」、高松の「北浜アリー」や天王洲アイルの「T.Y.HARVER」などです。地域ゆかりの産品を扱う店舗やおしゃれなカフェが入っていればなおさら気に入ります。都市とはある意味生き物のようなもので、歩いていくと廃屋や空き家といった「朽ちていく」部分にも出会いますし、再開発されたきれいな建物に驚くこともあります。新陳代謝を感じることができるのも都市の魅力ではないでしょうか。

同じ日本国内といえど、一つとして同じ都市はありません。

確かに人々の生活がなんとなく固定化され、モータリゼーションが進み、郊外の国道沿いにファミレスやホームセンターが並び「都市の個性」が薄れてきているのは事実です。しかしながら国際都市、工業都市港湾都市、衛星都市(ベッドタウン)、門前町、宗教都市、保養都市と日本には様々な形態の都市があります。わかりやすく例を挙げると、東京、室蘭、横浜、流山、長野、天理、熱海といったところでしょうか。

同じような性格をもっていても、人口(密度)、面積、歴史、GDP市町村合併の有無など形成要因がバラバラで、一つ一つ追ってゆくだけでも楽しいのです。私はやはり人口100万人以上の都市が好きなので、札幌や福岡の比較なんかを頭の中でしょっちゅう繰り広げています。基準は「もし私が明日から住むなら」。「福岡のこのエリアは札幌のここに当たるな」とか、「天神と大通ならどっちが休日を楽しめるか」とか妄想が膨らみます。

地理全般に言えることですが、知識を知識として頭の中にため込むだけでなく、日常生活に当てはめてゆくととグッと解像度があがりますよ。旅行中に見かけた景色(景観)に対して、自分なりに形成要因を予想してみるのも良いです。

 

今回は、珍しく自分の中に秘めている熱い思いを書いてみました。

都市ってやっぱり面白い!」そう共感していただければ幸いです。

 

 

 

 

 

キュン♡パスで行く信州・仙台欲張り旅 後編

みなさんこんにちは。

前回は、JR東日本全線が1日1万円で乗り放題になるという切符で長野までやってきました。新幹線で行けばいいものをわざわざ新宿から「あずさ」に乗り、遠回りして行ったので、7時出発なのに気が付いたらお昼に。それでも、普段なかなか乗る機会のない「しなの」に乗れて嬉しかったです。

1.名湯に浸る

幾分疲労がたまったので温泉で癒そうと思います。

長野で鉄道でアクセスできる温泉地として最初に浮かんだのが湯田中温泉

長野電鉄の有料特急「ゆけむり」号で約50分です。

古くからの温泉街の雰囲気。

調べていた日帰り温泉に行ってみます。

湯田中温泉「よろづや」。

湯田中温泉 よろづや【公式】

建物と浴場が千と千尋の神隠しに出てきそうな趣きで楽しみにしていました。

しかし調べ方が悪かったのか、「日帰り入浴はやっていない」とのこと。

ぼうぜんと立ちすくんでしまいましたが、切り替えて別の所を探してみます。

 

駅の反対側に、よさげな日帰り入浴を発見。

「吉の湯」。

www.yudanaka.com

700円(貸しタオル代別400円)というお手軽な料金で利用できます。

せっかくサウナもあったのですが、時間の関係で断念。待ちに待った温泉を心ゆくまで楽しんでいこうと思います。

平日のお昼という事もあり中はガラガラ。

古代遺跡や採掘場を思わせるような独特な作りが面白いです。

温泉・サウナ | 信州湯田中温泉 ホテルゆだなか ~大浴場「吉の湯」~ (yudanaka.com)

4つお風呂があり、深さや熱さが異なりました。43℃ほどの希釈されていない風呂→ぬるめの浅い風呂→休憩。リニューアルされた休憩スペースは十分な広さがあり、寝っ転がれるほど。サウナ使用時の外気浴としても活用できます。

これで700円は安い。湯から上がった後、別料金でコアワーキングゾーンを使用できるので、ノマドワーカーの方は是非。

2.次の目的地へ

駅へ戻ります。

帰りに乗っていくのが、かつて成田エクスプレスで使用されていた253系

今は「スノーモンキー」という愛称の特急になっています。f:id:shidare225:20240302102637j:image

幼少期に毎日のように眺めていた車両ですが乗車するのは初めてです。気になる内装ですが、「THE平成」の雰囲気。20年前にタイムスリップしたのではないかと錯覚するほどでした。インバウンドの観光客が多く、ほぼ満席に。f:id:shidare225:20240302102654j:image

リクライニングは無し、特急らしからぬのんびりとした速度で街へと下っていきます。

かつて首都圏で活躍した、2つの名列車を気軽に楽しめるのはいいですね。次回は小布施で栗を堪能する旅もしてみたい。行きたい所が無限にあります。

 

長野からはいよいよ新幹線に乗って行きます。

先発がはくたか、後発が長野始発のあさまという状況でしたが、次の目的地への可能性を広げるため立席覚悟ではくたかに乗車(この時点では行先を決めていませんでした)。f:id:shidare225:20240307152855p:image

乗降入れ替わり、なんとか空席にありつけました。基本新幹線は指定席派なのですが、今回の旅で機敏に自由席を使いこなす術が身についた気がしました。

・早めにホームに来て列の先頭を狙う

・可能な限り階段から遠い前(後)側の車両から乗る

この2点を心がけるだけで、いまのところは着席できています。

速達型のはくたかなので長野県内は無停車、1時間強で大宮に到着。新潟方面に抜けるか東北方面に出るかで悩みましたが、この切符の強みを生かせる方に決めました。

帰宅ラッシュが始まりそうな時間にかかってきたので、今回も列の先頭に陣取ります。

16:37 やまびこ69 盛岡行き

直前で気づきましたが、E5系の端の車両は鼻が長い分座席数は少な目なのです。

時すでに遅し、通常車両の半分以下の座席数を争っていきます。

・・・なんとか通路側一席を抑えることができました。キュンパスでの旅はこんな感じのシビアなシチュエーションが多いので、可能なかぎりキャスターを使用しないことをお勧めします。日帰りであればリュックやサコッシュで十分ですしね。

小山、宇都宮と通勤客がどさっと降車し、窓側席が空きました。那須塩原で降りる人が結構多くびっくりしました。普段はなかなか見れない、新幹線通勤の実情を見ることができるのもこうしたフリーパスのおかげです。

はやぶさのようにひゅいひゅいとはいかず、途中駅で通過待ちをしながらのんびり北上。郡山、福島では逆に乗車のほうが多くなってきました。

マンションが目立ち始め、進行方向左手に大年寺山のテレビ塔(東京タワーぽい)、広瀬川が見えきたら仙台到着の合図です。f:id:shidare225:20240307152940j:image

3.東北の大都市へ

特に観光する予定はありませんが、久しぶりに大好きな街に来ることができ気分が高まります。

真っ先に向かったのが仙台駅東口ヨドバシカメラの増床オープン、イーストゲートビル開業などかつての「駅裏」のイメージが払しょくされつつあります。

そんな中、今も変わらずあるのが「半田屋」という仙台ローカルの食堂。駅前の「Bivi」という商業施設に入っています。

大学生のころ、深夜バスで遊びに行った際に重宝していました。

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東口BiVi店 - あなたの街の食堂 半田屋 (handaya.jp)

ちょうど夕食時なので会計は長蛇の列。「生まれた時からどんぶり飯」というキャッチフレーズが有名ですが、この後も食べ歩く予定なので「めし(ミニ)」と肉じゃがだけにしました。一品料理から麺類まで豊富にそろっており、普段使いから晩酌まで活用できます。家の近くにあったら毎日行くこと間違いないでしょう。一刻も早い関東進出を臨むばかりです。

仙台のリアルな夜飯を堪能したあと、駅構内鮨通りにある「仙令鮨」へ。f:id:shidare225:20240309142814j:image

どの店も混雑しているなか、立ち食いという事もありすぐに入れました。寿司は全然詳しくないのですが、ネタの切り口が高級店のそれで「本当にこの値段でいいのだろうか」と不安になります。どれも非常においしかったのですが、よく火入れがされたあなごがホクホクでたまりませんでした。しっかりビールも頼んで、7貫で会計は1800円前後。仙令鮨の為だけに新幹線に乗ってくる価値があります。

おなじみの「ずんだシェイク」で〆ます。初めてだったのですが、想像以上の甘さとクリーミーさに夢中で飲み干してしまいました。東京駅大丸にも店舗あり。f:id:shidare225:20240309142837j:image

ほろ酔いで街をぶらつきます。仙台は都市規模の割に地下街が存在せず、代わりにアーケード街が充実しています。北国ながら西日本ぽい要素があるのは面白いですね。

駅から西に伸びるが「ハピナ名掛丁(なかけちょう)商店街」。江戸時代、仙台藩主が「御名懸組」という優秀な侍を選抜したクラスを設け、住まわせたことにその名の由来があります。駅前から一番町、国分町といった繁華街に抜ける通り道なのでたいへん賑わっており、東北にいることを忘れそうになります。

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このままいくと「クリスロード」「マーブルロードおおまち」とアーケードが連続します。しかしあえて、北に伸びる路地にそれ、仙台の違う顔も見ていきます。飲み屋や飲食店が密集するエリアを抜け、家具店やファッション店、予備校が集まる「本町」へきました。喧噪が一気に消え、ぽつぽつとある居酒屋から笑い声が聞こえるくらいの賑わい。都市に「静と動」があるなら、「静」にあたる場所です。

ここにいわずと知れた古着屋があります。

「Utah」(ユタ)。ヨーロッパやアメリカの輸入古着を扱うお店です。ミリタリー系のアイテム(カーゴパンツなど)が充実しています。高価格帯にあたる古着屋ですが、中にはリーズナブルな商品もあるので、読者の方で服に興味がある方は是非とも訪れてほしいです。

utahltdshop.thebase.in

閉店時間間際でしたが、暖かく迎えていただきありがとうございました。)f:id:shidare225:20240309142935j:image

そのまま歩いて数分で定禅寺通りへ。

杜の都」を象徴する通りで、中心部ながらケヤキの緑豊かな景観を楽しむことができます。年末の「せんだい光のページェント」というイルミネーションでも有名ですね。

しかし2月下旬の夜間ということもありさすがに真っ暗。雰囲気だけ楽しみました。f:id:shidare225:20240309143004j:image

隣接するのは歓楽街、「国分(こくぶん)町。」地元では「ブンチョウ」の名で親しまれています。都市の「動」にあたるエリアです。タクシーが牛歩しているあたり、新宿の歌舞伎町を彷彿とさせます。個人的に私の仙台のイメージは「落ち着いた街」「学生の街」なので、こうした歓楽街の存在はギャップがあって面白かったです。f:id:shidare225:20240309143035j:image

泉中央や長町といった副都心の街並みも見たかったのですが、新幹線の時間が迫っているのと疲れもあったのでそそくさと駅に戻ります。

最終のはやぶさで東京へ。f:id:shidare225:20240309143113j:image

実は昨日のうちから指定席を取っていました。

キュンパスの効果はすさまじく、東京発の早朝のはやぶさが満席になっていました。それを見て、「終電も埋まっているのでは?」と不安になり、仮に押さえた次第です。案の定窓側は全て満席、3列がけの通路側がわずかに空いている程度でした。

前後のやまびこも立ち客が出るほどの混雑だと予測したため、指定を受けて正解だったのです。

奴隷船のごとく、ただただ帰るだけの乗車。それでも、たった90分で東京へ連れて行ってくれる事に感謝しなければですね。

4.まとめ

本来一日で周るべきではない所に行ったので疲れはありましたが、フリーパスの良さを存分に発揮した学生のような旅行ができたのは良かったです。

2年連続で冬季のフリーパスが発売されたわけですが、平日とはいえ各地で想像を超える混雑模様となりました。特に、区間の北限にあたる青森地区はきっぷ利用客が殺到し、オーバーツーリズム化したと言わざるを得ません。

来年も2~3月の閑散期の需要喚起でフリーパスが発売される可能性がありますが、発売枚数制限といったなにかしらの縛りが出てくるものと予想します。また、私の行程のように比較的すいている長野周りルートや、近隣の伊豆・房総エリアを選択すると混雑を避けれるかもしれません。「どうしてもおトクに東北を巡るんだ」という方は、新幹線と並行して磐越線、陸羽線といった東北の「横の軸」を組み込んでみてください。

あと少し(3/14)でキュン♡パスの期間が終わりますが、これから切符を活用して旅に出る方、是非存分に楽しんでください。

今回行かなかった方も、私の行程をパクッて活用していただければと思います。

 

それでは!

 

 

キュン♡パスで行く信州・仙台欲張り旅 前編

みなさんこんにちは。

先日の投稿で紹介した、JR東日本全線(新幹線・特急含む)が1万円で一日乗り放題になる「キュン♡パス」でふらっと旅に出ていたので、その様子をお話しできればなと思います。

shidare225.hatenablog.com

shidare225.hatenablog.com

↑過去記事はこちら

朝一のあずさへ松本へ

都内自宅から新宿へ移動。6時台の電車が一本しかないので乗り遅れたらアウト。余裕を持って出発しました。

キュンパスの特典である、NEWDAYSで使える15%オフクーポンでサッポロ黒ラベルを仕込みました(笑)。f:id:shidare225:20240226210216p:image

朝ラッシュが本格的に始まる前の新宿駅。小雨がしとしとと降っていますが寒くはないです。久しぶりに新宿に来ると「都会だな」ってちょっとワクワクしますね。最初に乗っていくのが、7:00発特急あずさ1号。始発です。

かつてのE351系から現行のE353系へ置き換えられてからかなり経ちますが、いまだに「新しい車両」というイメージがあります。当時は奇抜だなと思っていたデザインもかっこよく思えてきました。特に、連結部分の左右対称な感じが好きです。f:id:shidare225:20240226210257j:image

予約時は空席が多かったものの、新宿発車時点で8割ほど、八王子発車後ほぼ満席になりました。甲州へのビジネス需要の大きさを感じます。少なくとも、豪快にビールを開けたのは私だけでした。

やはり甲府で大量下車があり、立川から乗ってきたおばあちゃんも降りていきました。

韮崎を過ぎ、小淵沢に差し掛かろうというところから景色に映る山々が急峻になっていき、ところどころ残雪もみられるようになってきました。山国に来たなと実感します。f:id:shidare225:20240226210742j:image

長野県内に入り茅野、上諏訪、岡谷、塩尻諏訪湖沿いの主要駅に停車。この辺りは水がきれいな土地で、工程に洗浄が欠かせない精密機械工業が発展したエリアです。時計の生産で有名なスイスと立地背景は同じです。上諏訪は高校生の頃、青春18きっぷで来たことのある思いで深い駅。温泉地なので駅構内に足湯があります。

塩尻で途中下車し名産のワインを仕込もうと思いましたが、調子に乗って飲みすぎると失敗するので自粛。終点、松本では30分少々の乗り継ぎで、松本城に行くにはちょっとギリギリなので駅前をぷらぷら歩いていました。

遠く離れた土地にも人々の生活があると再認識するのも旅の重要なテーマです。

観光地に行くだけではなく、町を行く高校生やサラリーマン、客待ちをするタクシーをぼんやり眺めるのも旅行では欠かせないです。できれば、地元ローカルのグルメを楽しみ、現地の人の生活を追体験すると最高です。f:id:shidare225:20240226210717j:image

JR東海の列車にも乗ってみる

「まつもと~まつもと~」と列車到着時に独特の自動アナウンスが流れる松本駅

旅情があって結構好きですよ。やってきたのは、名古屋からきた特急「しなの」JR東海の車両ですが、区間JR東日本管内なので問題なく乗れます。残り1回しか座席を指定できないので、今回は後方の自由席を使用しました。降車と乗車が同じくらいで、8割方席が埋まりました。f:id:shidare225:20240226210354j:image

列車は長野の二大都市を結ぶ篠ノ井(しののい)線を走行するのですが、松本出発後しばらくは北アルプス沿いを走る大糸線と並行にまっすぐ走っていきます。なので、進行方向左手に穂高岳槍ヶ岳といった3000m級の山々を眺めることができます。残念なが山頂が雲に隠れてしまいましたが、その雄大さに息を飲みました。氷河によって削り取られた、尖った地形が特徴的です。f:id:shidare225:20240226210420j:image

登山には興味があり去年は妻と筑波山に上ってきました。いつかは準備を重ねて北アルプスにも挑戦してみたいですね。

列車交換を挟みながら、比較的のんびり県庁所在地の長野を目指していきます。

篠ノ井到着手前で姨捨(おばすて)を通過。日本三大車窓である善光寺平を一望できるポイントなのですが、右座席に他の方が座っていたので撮影は諦めました。

ロマンスカー車両で温泉へ

なんだか箱根に行きそうな感じですが違います(笑)。f:id:shidare225:20240226210443j:image

長野駅から出発する長野電鉄では、引退済みの旧ロマンスカー車(HiSE)や旧成田エクスプレス車(253系)を現在でも特急として活用し、観光資源にしています。特急料金は100円、展望座席指定料金が300円と手頃なので、気軽に乗れてしまいます。座席はネット予約可能なので、迷わず展望席を押さえました。

nagaden-reserve.jp

すると自分以外は全員インバウンド観光客とその通訳という状況に(笑)

アトラクション要素も大きいので外国人に大ウケなようです。

地下鉄のような区間をしばらく走行し、途中駅権堂に停車。地上に上がった後も首都圏郊外のような景色が続き、通勤路線に乗っているかのような錯覚を起こします。

本郷、信州吉田といった途中駅さえも地方私鉄にしては規模が大きいです。

しかしそうこうしているうちにりんご畑がぽつぽつと目立ち始め、四方を山に囲まれた長野らしい景観になっていきます。

途中、千曲(ちくま)川を自動車道路と並走して渡る村山橋に差し掛かるのですが、車と同じくらいのスピードでデッドヒートを繰り広げていて面白かったです。皆一様にカメラを向けていました。f:id:shidare225:20240226211314j:image

列車の車庫がある須坂、信州中野や栗で有名な小布施(おぶせ)といった主要駅に停車していき、長野から45分で湯田中に到着。

新宿を7時に出たのにもう昼前。さすがに疲れが出てきたので、名湯湯田中温泉で癒されたいと思います。

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~後編へ続く~

 

 

 

 

 

東京発東京行きで金沢・京都にいける切符

 

 

みなさんこんにちは。

おまえは何を言っているんだ」。そう思った方が大半なのではないでしょうか。

当然の感覚だと思います。首都圏の大回り乗車でさえ、同じ駅を2度通ってはいけないのですから。

しかしながら、ルールに乗っ取って「東京発東京行き、途中金沢と京都を経由する切符」を発券することができたので載せたいと思います。

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いかがでしょうか。本当に東京→東京の切符ですね。「東京都区内」は23区内の駅のことを指しています。

前途無効とは、「降りたら自動改札機に回収される」と思って頂けるとよいです。

23区内の駅間で完結する乗り方、例えば大森から乗って上野で降りたら無効になります。東京駅で買い物するために改札を出ても無効なので要注意です。

経由を見てみると「(上越)新幹線・高崎・(北陸)新幹線・金沢・北陸・湖西・(東海道)新幹線」とあります。地図上に起こしてみると、

中日本をぐるりと一周する一筆書きルートが浮かび上がってきます。

JR公認の、正式に使用できるルートとなっています。総距離1200㎞近い、壮大な行程にわくわくするのは私だけでしょうか。


そして値段に注目。14080円という金額が高いのか安いのかピンとこないと思います。東京~京都の往復が16720円ということを考えると、15%引きで京都だけでなく金沢にも寄れるこの切符のおトクさが実感できるはずです。

一筆書きの切符ということで運賃は片道扱い、遠ければ遠い安くなる遠距離逓減(ていげん)制度のもと、この安さが実現しています。有効期間も7日間と長いので、途中下車し温泉に立ち寄り、連泊しながら京都を目指すのが理想的なプランです。

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特急券も同時に発券してきました。

特定区間において、新幹線と特急を乗り継ぐ場合特急側の料金が半額になる「乗り継ぎ割引」が適用されています。金沢~京都間のサンダーバードが1470円という破格で乗車できてしまいます。f:id:shidare225:20240224211037j:image

乗り継ぎ割引はジリ貧旅行にとっては欠かせない神制度なのですが、実は今年3月のダイヤ改正にて消滅してしまいます。また、サンダーバード北陸新幹線敦賀延伸に伴い金沢始発ではなくなってしまいます。この2つを最後に楽しむため、わざわざ金沢を経由する切符を作ったというわけです。

特急券の総額は14180円、さっきの乗車券と合わせると28260円という金額になります。これは東京~京都を単純に往復した料金とほぼ同額。この切符の凄さがわかるかと思います。

しかし完璧に思われる東京発東京行きの切符ですが、一つだけある落とし穴があります。それは京都には行けない点です。

「さんざん言っといて今更何なんだ」と思ったことでしょう。ごめんなさい。

正確には、「京都駅」には行けません。京都の一つ手前、山科(やましな)までは行くことができます。

切符上、金沢方面から北陸本線、湖西(こせい)線を南下し、山科でUターンし東海道本線琵琶湖線)を通るルートになっているためです。図の通り、京都駅をスルーしているのがわかるかと思います。なので、山科~京都間の往復乗車券を買い足せば事足ります。

東海道新幹線からサンダーバードへ乗り継ぐ場合、京都駅で改札を出ない限り切符の効力があります。

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これで大丈夫。心置きなく2つの古都とサンダーバードを楽しむ旅に出れます。

旅の様子も今後アップロードしていくので、こうご期待ください。

 

それでは!

 

 

 

”キュンパス“発券してきました! 注意点を解説します

みなさんこんにちは。

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去年の記事で、JR東日本管内全線(特急、新幹線含む)が一日1万円で乗り放題になる切符の紹介をしました。

shidare225.hatenablog.com

「旅せよ平日!JR東日本旅キュン♡早割パス」

発売期間は1/14~2/29、利用期間は2/14~3/14。希望休を取り、2/19に信州方面への旅行を決めました。

利用日前の14日前までに購入する必要があるので、これから買おうと考えている方は注意してください。またみどりの窓口指定席券売機では取り扱いがなく、えきねっと限定発売なのも落とし穴です。えきねっとアプリではなく、ブラウザからのみ購入可能です。実際に発券が必要な商品なので、ポチったまま何もせず当日まで気が付かないという事態は避けたいところです。

実際の購入画面です。

決済後、列車の指定席選択画面に飛べます。1枚の切符につき2回まで指定が可能なので、使いどころに注意です。現状、JR東日本管内新幹線特急の半数近くが全車指定席になっています。自分が乗ろうとしている列車に自由席があるのか必ずチェックしてください。

全車指定席列車の例

立席特急券≒特定特急券。指定席でも空席時に着席可。指定客が現れたら譲る必要がある。

実際に指定してみます。

 

ここでひとつ気を付けるポイントが。

列車の発車駅を選択する画面なのですが、手入力ではなく駅名のあいうえお順から選択する必要があります。これが結構やっかいです。今回は「新宿」を選びたいのですが、「し」から始まる駅名が多すぎて1分以上かかってしまいました。直感的に入力できないのはだいぶストレスが溜まります。

ここからさらに降車駅、時間、号車や座席を決めていくので、極力時間のある時にやることをお勧めします。自由自在に予定変更できるのがこの切符の魅力ですが、列車まで時間がないとこの操作のせいでパニックになるかもしれません。行程中に乗る列車が変わるとわかった瞬間から早めに申し込むとよいでしょう。

そして、忘れずにみどりの窓口指定席券売機で発券をしましょう。

窓口の閉鎖やインバウンド観光客の増加で、主要駅には長蛇の列が並びます。特に新幹線停車駅は凄まじいです。朝一番など空いている時間はありますが、基本的には前日までに発券しちゃうのがおすすめです。

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これでOKです!明日からキュンパスを使用して信州旅を満喫したいと思います。

実際に使ってみた感想も共有できたらと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

それでは!