Ge男

地理をエンタメに!地域の事象や旅について語る

キュン♡パスで行く信州・仙台欲張り旅 後編

みなさんこんにちは。

前回は、JR東日本全線が1日1万円で乗り放題になるという切符で長野までやってきました。新幹線で行けばいいものをわざわざ新宿から「あずさ」に乗り、遠回りして行ったので、7時出発なのに気が付いたらお昼に。それでも、普段なかなか乗る機会のない「しなの」に乗れて嬉しかったです。

1.名湯に浸る

幾分疲労がたまったので温泉で癒そうと思います。

長野で鉄道でアクセスできる温泉地として最初に浮かんだのが湯田中温泉

長野電鉄の有料特急「ゆけむり」号で約50分です。

古くからの温泉街の雰囲気。

調べていた日帰り温泉に行ってみます。

湯田中温泉「よろづや」。

湯田中温泉 よろづや【公式】

建物と浴場が千と千尋の神隠しに出てきそうな趣きで楽しみにしていました。

しかし調べ方が悪かったのか、「日帰り入浴はやっていない」とのこと。

ぼうぜんと立ちすくんでしまいましたが、切り替えて別の所を探してみます。

 

駅の反対側に、よさげな日帰り入浴を発見。

「吉の湯」。

www.yudanaka.com

700円(貸しタオル代別400円)というお手軽な料金で利用できます。

せっかくサウナもあったのですが、時間の関係で断念。待ちに待った温泉を心ゆくまで楽しんでいこうと思います。

平日のお昼という事もあり中はガラガラ。

古代遺跡や採掘場を思わせるような独特な作りが面白いです。

温泉・サウナ | 信州湯田中温泉 ホテルゆだなか ~大浴場「吉の湯」~ (yudanaka.com)

4つお風呂があり、深さや熱さが異なりました。43℃ほどの希釈されていない風呂→ぬるめの浅い風呂→休憩。リニューアルされた休憩スペースは十分な広さがあり、寝っ転がれるほど。サウナ使用時の外気浴としても活用できます。

これで700円は安い。湯から上がった後、別料金でコアワーキングゾーンを使用できるので、ノマドワーカーの方は是非。

2.次の目的地へ

駅へ戻ります。

帰りに乗っていくのが、かつて成田エクスプレスで使用されていた253系

今は「スノーモンキー」という愛称の特急になっています。f:id:shidare225:20240302102637j:image

幼少期に毎日のように眺めていた車両ですが乗車するのは初めてです。気になる内装ですが、「THE平成」の雰囲気。20年前にタイムスリップしたのではないかと錯覚するほどでした。インバウンドの観光客が多く、ほぼ満席に。f:id:shidare225:20240302102654j:image

リクライニングは無し、特急らしからぬのんびりとした速度で街へと下っていきます。

かつて首都圏で活躍した、2つの名列車を気軽に楽しめるのはいいですね。次回は小布施で栗を堪能する旅もしてみたい。行きたい所が無限にあります。

 

長野からはいよいよ新幹線に乗って行きます。

先発がはくたか、後発が長野始発のあさまという状況でしたが、次の目的地への可能性を広げるため立席覚悟ではくたかに乗車(この時点では行先を決めていませんでした)。f:id:shidare225:20240307152855p:image

乗降入れ替わり、なんとか空席にありつけました。基本新幹線は指定席派なのですが、今回の旅で機敏に自由席を使いこなす術が身についた気がしました。

・早めにホームに来て列の先頭を狙う

・可能な限り階段から遠い前(後)側の車両から乗る

この2点を心がけるだけで、いまのところは着席できています。

速達型のはくたかなので長野県内は無停車、1時間強で大宮に到着。新潟方面に抜けるか東北方面に出るかで悩みましたが、この切符の強みを生かせる方に決めました。

帰宅ラッシュが始まりそうな時間にかかってきたので、今回も列の先頭に陣取ります。

16:37 やまびこ69 盛岡行き

直前で気づきましたが、E5系の端の車両は鼻が長い分座席数は少な目なのです。

時すでに遅し、通常車両の半分以下の座席数を争っていきます。

・・・なんとか通路側一席を抑えることができました。キュンパスでの旅はこんな感じのシビアなシチュエーションが多いので、可能なかぎりキャスターを使用しないことをお勧めします。日帰りであればリュックやサコッシュで十分ですしね。

小山、宇都宮と通勤客がどさっと降車し、窓側席が空きました。那須塩原で降りる人が結構多くびっくりしました。普段はなかなか見れない、新幹線通勤の実情を見ることができるのもこうしたフリーパスのおかげです。

はやぶさのようにひゅいひゅいとはいかず、途中駅で通過待ちをしながらのんびり北上。郡山、福島では逆に乗車のほうが多くなってきました。

マンションが目立ち始め、進行方向左手に大年寺山のテレビ塔(東京タワーぽい)、広瀬川が見えきたら仙台到着の合図です。f:id:shidare225:20240307152940j:image

3.東北の大都市へ

特に観光する予定はありませんが、久しぶりに大好きな街に来ることができ気分が高まります。

真っ先に向かったのが仙台駅東口ヨドバシカメラの増床オープン、イーストゲートビル開業などかつての「駅裏」のイメージが払しょくされつつあります。

そんな中、今も変わらずあるのが「半田屋」という仙台ローカルの食堂。駅前の「Bivi」という商業施設に入っています。

大学生のころ、深夜バスで遊びに行った際に重宝していました。

f:id:shidare225:20240307153044j:image

東口BiVi店 - あなたの街の食堂 半田屋 (handaya.jp)

ちょうど夕食時なので会計は長蛇の列。「生まれた時からどんぶり飯」というキャッチフレーズが有名ですが、この後も食べ歩く予定なので「めし(ミニ)」と肉じゃがだけにしました。一品料理から麺類まで豊富にそろっており、普段使いから晩酌まで活用できます。家の近くにあったら毎日行くこと間違いないでしょう。一刻も早い関東進出を臨むばかりです。

仙台のリアルな夜飯を堪能したあと、駅構内鮨通りにある「仙令鮨」へ。f:id:shidare225:20240309142814j:image

どの店も混雑しているなか、立ち食いという事もありすぐに入れました。寿司は全然詳しくないのですが、ネタの切り口が高級店のそれで「本当にこの値段でいいのだろうか」と不安になります。どれも非常においしかったのですが、よく火入れがされたあなごがホクホクでたまりませんでした。しっかりビールも頼んで、7貫で会計は1800円前後。仙令鮨の為だけに新幹線に乗ってくる価値があります。

おなじみの「ずんだシェイク」で〆ます。初めてだったのですが、想像以上の甘さとクリーミーさに夢中で飲み干してしまいました。東京駅大丸にも店舗あり。f:id:shidare225:20240309142837j:image

ほろ酔いで街をぶらつきます。仙台は都市規模の割に地下街が存在せず、代わりにアーケード街が充実しています。北国ながら西日本ぽい要素があるのは面白いですね。

駅から西に伸びるが「ハピナ名掛丁(なかけちょう)商店街」。江戸時代、仙台藩主が「御名懸組」という優秀な侍を選抜したクラスを設け、住まわせたことにその名の由来があります。駅前から一番町、国分町といった繁華街に抜ける通り道なのでたいへん賑わっており、東北にいることを忘れそうになります。

f:id:shidare225:20240309142906j:image

このままいくと「クリスロード」「マーブルロードおおまち」とアーケードが連続します。しかしあえて、北に伸びる路地にそれ、仙台の違う顔も見ていきます。飲み屋や飲食店が密集するエリアを抜け、家具店やファッション店、予備校が集まる「本町」へきました。喧噪が一気に消え、ぽつぽつとある居酒屋から笑い声が聞こえるくらいの賑わい。都市に「静と動」があるなら、「静」にあたる場所です。

ここにいわずと知れた古着屋があります。

「Utah」(ユタ)。ヨーロッパやアメリカの輸入古着を扱うお店です。ミリタリー系のアイテム(カーゴパンツなど)が充実しています。高価格帯にあたる古着屋ですが、中にはリーズナブルな商品もあるので、読者の方で服に興味がある方は是非とも訪れてほしいです。

utahltdshop.thebase.in

閉店時間間際でしたが、暖かく迎えていただきありがとうございました。)f:id:shidare225:20240309142935j:image

そのまま歩いて数分で定禅寺通りへ。

杜の都」を象徴する通りで、中心部ながらケヤキの緑豊かな景観を楽しむことができます。年末の「せんだい光のページェント」というイルミネーションでも有名ですね。

しかし2月下旬の夜間ということもありさすがに真っ暗。雰囲気だけ楽しみました。f:id:shidare225:20240309143004j:image

隣接するのは歓楽街、「国分(こくぶん)町。」地元では「ブンチョウ」の名で親しまれています。都市の「動」にあたるエリアです。タクシーが牛歩しているあたり、新宿の歌舞伎町を彷彿とさせます。個人的に私の仙台のイメージは「落ち着いた街」「学生の街」なので、こうした歓楽街の存在はギャップがあって面白かったです。f:id:shidare225:20240309143035j:image

泉中央や長町といった副都心の街並みも見たかったのですが、新幹線の時間が迫っているのと疲れもあったのでそそくさと駅に戻ります。

最終のはやぶさで東京へ。f:id:shidare225:20240309143113j:image

実は昨日のうちから指定席を取っていました。

キュンパスの効果はすさまじく、東京発の早朝のはやぶさが満席になっていました。それを見て、「終電も埋まっているのでは?」と不安になり、仮に押さえた次第です。案の定窓側は全て満席、3列がけの通路側がわずかに空いている程度でした。

前後のやまびこも立ち客が出るほどの混雑だと予測したため、指定を受けて正解だったのです。

奴隷船のごとく、ただただ帰るだけの乗車。それでも、たった90分で東京へ連れて行ってくれる事に感謝しなければですね。

4.まとめ

本来一日で周るべきではない所に行ったので疲れはありましたが、フリーパスの良さを存分に発揮した学生のような旅行ができたのは良かったです。

2年連続で冬季のフリーパスが発売されたわけですが、平日とはいえ各地で想像を超える混雑模様となりました。特に、区間の北限にあたる青森地区はきっぷ利用客が殺到し、オーバーツーリズム化したと言わざるを得ません。

来年も2~3月の閑散期の需要喚起でフリーパスが発売される可能性がありますが、発売枚数制限といったなにかしらの縛りが出てくるものと予想します。また、私の行程のように比較的すいている長野周りルートや、近隣の伊豆・房総エリアを選択すると混雑を避けれるかもしれません。「どうしてもおトクに東北を巡るんだ」という方は、新幹線と並行して磐越線、陸羽線といった東北の「横の軸」を組み込んでみてください。

あと少し(3/14)でキュン♡パスの期間が終わりますが、これから切符を活用して旅に出る方、是非存分に楽しんでください。

今回行かなかった方も、私の行程をパクッて活用していただければと思います。

 

それでは!