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地理をエンタメに!地域の事象や旅について語る

日本海側最強の新潟

皆さんは「新潟」と聞くとどのようなイメージを持つでしょうか。

「米どころ」「スキー」「日本酒」といった辺りが世間一般のイメージだと思います。実際に米の作付面積は北海道を上回り全国一位ですし、それを原料にした日本酒の醸造も盛んです。冬季にはシベリア気団という大きな雲の流れがやってきて、山地にぶつかるタイミングで大量の雪を降らせます。その為スキー場が県内各地にあり、特に越後湯沢エリアは首都圏からアクセスが良く、人気です。

 

ただ地理学的観点から見つめると、新潟の魅力はそれだけではないのです。

 

読者の皆さん、新潟市の人口は何万人くらいかぱっと言えますか?

2023年度の新潟市の人口は774,030人(出典:新潟市HP)を数え、県レベルの行政機能を持つ政令指定都市に指定されています。これは日本海側では随一で、北陸の中枢都市の金沢を上回ります。朝の通勤ラッシュに目をやると、一般道交通量日本第2位の新潟バイパスは慢性的な渋滞を引き起こし、コロナ期間中、信越本線上り越後石山~新潟間の混雑率は首都圏を押さえ一位になりました。

街に繰り出してみると、郊外のショッピングモールに客を取られている他の地方都市とは違い、意外と人がいるなという印象を受けます。駅から徒歩10分圏内にある万代シティ(商業施設の総称)には、休日ともなると若者で賑わっています。

 

つまり、田園的なイメージと反して結構都会なのです。

江戸時代北前船の中継地として発展した過去、稲作を家族単位でやるうえで子供をたくさん産んだ、東京からの距離が近く、ストロー効果(新幹線や航空路線の開通で人口、人材が大都市に流出する事)の影響が少なかったなど考えられる要因は複数あります。

青森から鉄道で日本海側を南下する旅をしたことがあるのですが、民家すら見られない人口空白地帯を抜けて新潟についた際「大都市だな」とやはり感じました。

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但し、日本海側最強の新潟も陰りがみえています。県ベースの人口は毎年1%づつ減少し、山間部の南魚沼あたりでは急速な過疎化が進んでいます。新潟市内の老舗百貨店「大和」や三越が閉店し、残すは伊勢丹のみとなりました(そもそも3つもあったのがすごいですが笑)それに伴う、旧市街地である古町の空洞化が心配です。古町には立派なアーケード街があるのですが、行きかう人の数はまばらなのです。

 

そのような中、新しい動きもあります。

市内の沼垂(ぬったり)地区では、シャッター街となった商店街を改築し、レトロな建物を生かしたハンドメイド店を出店し、話題となっています。

交通の要衝であるJR新潟駅は現在再開発の真っ只中で、ワンコインで日本酒の試飲が楽しめる「ぽんしゅ館」や、地場産業である燕市の鉄製品など扱った「Ponsyukan Craftmanship」というブースがあり、観光客を楽しませてくれます。

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東京から比較的近いけどよく知らない新潟。

このブログを通じて、もっとその魅力を発信できればなと思います。