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地理をエンタメに!地域の事象や旅について語る

地理学科卒 28才会社員が行く京都1泊 (2)

京都市内の公共交通は脆弱と言わざるを得ない。JRは洛中を避けるように伸びており、私鉄や地下鉄の路線網も限定的で、移動の大半をバスに頼る事になる。しかし昨今のニュースで、京都市営バスのキャパオーバーが話題になっている事を知り、極力バスを避けたいなと思っていた。京都駅から東山へ、JRと京阪を駆使する事にしたのだが、東福寺での接続が取れず、歯切れの悪い移動となってしまった。

 

それはさておき、京の夏の風物詩である川床が鴨川の河川敷に並び、関東から来た我々の目を楽しませてくれた。梅雨半ばの暑すぎない初夏の陽気に、足取りも軽くなる。何気なく入ったイタリアン店の居心地が良く、白いベニア板で作られた川床から、東山の町並みをぼんやりと眺めていた。

鴨川を東に渡ると、すぐの所に建仁寺という仏閣があるので、日差しが強くなる中歩いて行ってみることにした。インスタグラムで観光情報を漁っているときに偶然目にしたのだが、複数ある石庭が素晴らしく、候補にあげていたのだ。

いざ境内に入ってみると、清水寺高台寺といった有名仏閣の近くとは思えないほど人が少なく、静寂に包まれた雰囲気。敷地が広く迷ったが、お目当ての石庭エリアに入ることができた。f:id:shidare225:20230701140002j:image

○△□乃庭、大雄苑、潮音庭といくつか石庭があるのだがどれも見応えがあり、小一時間見入ってしまった。次の予定が控えていたので足早に退散したが、これを丸一日かけて眺めるのも悪くないなとすら思った。別料金でできる写経にも挑戦したいところ。石庭で有名な仏閣といえば龍安寺が真っ先に浮かぶが、こちらはより広々としていて、長時間ぼんやりするのに向いている。

建仁寺を後にし、母の希望である南禅寺哲学の道銀閣寺を徒歩で周り、帰りはさすがにクタクタなので京都駅行きのバスに乗り込んだ。うたた寝をしつつ、夕刻の帰宅ラッシュで混雑する四条河原町に目をやる。近年地価が著しく高騰し、若年層を中心に市外流出が続く京都市だが、さすがに繁華街で、都市のエネルギーが感じられた。渋滞に巻き込まれながらも、京都駅降車口に到着。市街地の東半分を一周し、多少なり京都の町なりを体感する事ができた。

 

          続